【第3章】登販試験3回目で合格した文系が風邪薬についてまとめてみた【登録販売者試験】

風邪引いたんだけどどれ使えばいいか分からない・・・
お薬といってまず身近なのは風邪薬ではないでしょうか?
この記事では、
・風邪薬について
・風邪薬の成分について
以上3点に重点を置いた記事になります。
「登販欲しいけど何から手をつければいいか分からない・・・」
「登販試験勉強してもなかなか身につかない・・・
「そもそも文系だし・・・(筆者も文系です)」
そんな方におすすめな内容となっています。
また、見返しやすいように各成分に目次から飛べるようにしましたので、復習にもお役立てください。
最早勉強する前の導入と思っていただきたいと思います。
この記事ではすべてを網羅できるわけではありませんのでご了承ください。
目次
風邪(感冒)について
そもそもなんですけど、皆さん「風邪」って聞くと何を思い浮かべますか?

喉痛いし体がだるい

熱あるし節々が痛い
人によって、どれを風邪と呼ぶかはそれぞれですよね。
僕は常に喉からくる風邪が多いような気がします。
しかし、登録販売者試験においては・・・
医学的には「かぜ症候群」といい、主にウイルスが鼻や喉などの粘膜に感染して起こる上気道の急性炎症の総称です
風邪の8割がウイルスからきていると言われてるほどです。
症状としては・・・
頭痛、発熱、悪寒、喉の痛み(咽頭、喉頭痛など)、鼻づまり、くしゃみ、関節の痛み
主な原因として、ウイルス感染。その数約200種類以上!!!
風邪薬に含まれる成分
皆さんは風邪薬を服用したことがあると思います。
そもそも風邪薬は、ウイルスの繁殖を抑えたりするもんじゃないんです。
あくまで咳や発熱の症状を抑える、対処療法です。

風邪薬では我々はそう簡単にやられたりはせぬぞ・・・むしろお主らがしっかり休養して栄養を取っていれば免疫機構の方がつらいぞい・・・
なので、
一括りに風邪薬とはいえ、どの成分が何に効くのか?が重要になってきます。
分類するなら、以下のように分類されます。
成分名 | 主な働き |
①解熱鎮痛成分 | 熱を下げ、痛みを鎮める(ex.イブプロフェン |
②抗ヒスタミン成分 | 鼻水、くしゃみを抑える(ex.ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
③抗コリン成分 | 副交感神経を鎮めて、鼻水を抑える(ex.ヨウ化イソプロパミド |
④アドレナリン作動成分 | 交感神経を刺激して、鼻症状の緩和・咳を鎮める(ex.麻黄(マオウ) |
⑤鎮咳成分 | 咳を鎮める(ex.コデインリン酸塩 |
⑥去痰成分 | たんを切る(ex.ブロムヘキシン塩酸塩 |
⑦抗炎症成分 | のどの炎症を抑える(ex.トラネキサム酸 |
詳しい内容については、それぞれ解説してまいります。
まずは「こんな成分名があってこんな働きをするんだな」ってところを抑えましょう!
以上挙げた成分で主な成分についてざっくりと解説していきます。
1.解熱鎮痛成分
解熱作用に含まれる成分です。
①イブプロフェン(15歳未満に使用禁止)
②アスピリン(15歳未満使用禁止)
③エテンザミド、サリチルアミド(水ぼうそう、インフルエンザにかかっている15歳未満使用禁止)
④アセトアミノフェン(小児使用OK)
⑤イソプロピルアンチピリン(唯一のピリン系)
2.抗ヒスタミン成分
「ヒスタミン」と呼ばれる、鼻の中で作られる成分をブロックすることで、くしゃみや鼻水を止めることができます。今は要するに「鼻水やくしゃみを止める成分」と覚えておきましょう。
①ジフェンヒドラミン塩酸塩(授乳中使用注意)
②クロルフェニラミンマレイン酸塩
③クレマスチンフマル酸塩
④メキタジン(重篤な副作用注意)
3.抗コリン成分
コリン(コリンエステラーゼ)を抑え、副交感神経を遮断して鼻水を抑えます。
こちらについても「鼻水を抑えるんだな」とイメージしていただければと思います。
①ヨウ化イソプロパミド
②ベラドンナ総アルカロイド
※風邪薬では出ませんが、ロートエキスという成分が頻出です。名前だけでも覚えておこう!!
授乳中に注意が必要な成分です。
4.アドレナリン作動成分

交感神経を刺激されたら鼻水が止まった!!
アドレナリンを作動させることで、鼻水を止めることができます。
ですが、その作用の影響で、糖尿病の人、高血圧の人、甲状腺機能障害の人には注意が必要になります。
詳しい内容はアドレナリン作動成分の記事を作る予定なので、そちらを参考していただければと思います!
①プソイドエフェドリン塩酸塩(ちょ~重要!!)
②メチルエフェドリン塩酸塩
③フェニレフリン塩酸塩
太字にしましたが、「~リン」とつくものはアドレナリン成分って覚えちゃいましょう。
5.鎮咳成分
いわゆる「咳を鎮める成分」です。麻薬性と非麻薬性に分類されます。
<麻薬性鎮咳成分>
①コデインリン酸塩
②ジヒドロコデインリン酸塩
以上の成分は、2018年の手引き改正で、12歳未満の小児等に使用しないこととなりました。
また、副作用として、便秘、眠気が現れます。
<非麻薬性成分>
①デキストロメトルファン臭化水素塩酸
②ジメモルファンリン酸塩
③ノスカピン
6.去痰成分
たんを出しやすくする成分です。排出するのを促す作用だったり、たんの粘り気を抑える成分だったり、作用が様々です。
<気道粘膜分泌促進成分>
①グアイフェネシン
②クレゾールスルホン酸カリウム
③グアヤコールスルホン酸カリウム
<粘液溶解成分>
①エチルシステイン塩酸塩
②メチルシステイン塩酸塩
7.抗炎症成分
炎症を抑える成分です。
風邪薬だけでなく、目薬や胃薬に含まれる成分になりますので名前だけでも抑えましょう!
①トラネキサム酸(血栓のある人注意)
②グリチルリチン酸(カンゾウ含有のため、偽アルドステロン症注意)
③カンゾウ(グリチルリチン酸が主成分。多くの漢方に含有)
解熱鎮痛成分
解熱鎮痛の多くは「プロスタグランジン」と呼ばれるホルモンに似た働きをする物質の産制を抑えることで、頭痛や発熱の症状を緩和します。
このプロスタグランジンの働きとして、2種類に分けられます。
割とプロスタグランジンの作用について出題されます。抑えておきましょう!
その1
①体に傷害や炎症が起きる
↓
②痛みを伝える物質の産生
↓
③この物質が周りの細胞に働きかけて、プロスタグランジンを産生する
↓
④プロスタグランジンが知覚神経を過敏にし、痛みを伝える物質が作用すると痛みが発生する
その2
①体内にウイルスが侵入
↓
②視床下部(脳の下部)にある温熱中枢でプロスタグランジンが産生される
↓
③体温の設定温度が高くなり、熱が出る
ですが、プロスタグランジンは胃粘膜を保護する作用もありますので、必ずしも悪い物質ではありません。
ほとんどの解熱鎮痛成分が空腹時に使用してはならないのはこの胃粘膜保護作用を抑制してしまうためです。
☆イブプロフェン
15歳未満には使ってはいけない成分です。
市販薬のイブに含まれる成分ですね!
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※今後の勉強として、添付文書も見るのも大事になります。バナーのサイトから得られる知識もあると思いますので是非ご確認ください。
副作用として、胃・十二指腸潰瘍、クローン氏病の再発に注意が必要です。
また、重篤な副作用として、肝機能障害、腎障害、無菌性髄膜炎に注意です。
※無菌性髄膜炎などの副作用については、2章で解説させていただきます。
☆アセトアミノフェン
市販薬のうち、15歳未満に使える解熱鎮痛成分になります。
主に中枢作用によって効果を表すので、末梢での抗炎症作用は期待できません。
空腹時でも服用できる成分です!
主な注意として、
普段からアルコールを摂取している人は注意です。
肝機能障害が起こりやすくなります。
☆イソプロピルアンチピリン(ピリン系)
一般用医薬品唯一のピリン系成分です。解熱、鎮痛成分は強いですが、抗炎症作用は弱いです
過去に「ピリン疹」と呼ばれる薬疹などのアレルギー症状を起こしたことがあるひとは注意です。
※とはいえ、この「ピリン疹」は、イソプロピルアンチピリン以外の解熱鎮痛成分で起こることがあります!
☆アスピリン、エテンザミド(サリチル酸系成分)
アスピリンは、他の解熱鎮痛成分に比べて、胃腸障害をおこしやすいです。
15歳未満は使用禁止。アスピリン喘息に注意。
血液を凝固しにくくする作用を持ちます。医療用として、血栓予防薬として使われることがあるとか。
また、ライ症候群との関連性からも15歳未満の小児は使用禁止とされています。
※たまに、「アスピリンのみ、ピリン疹の副作用があらわれることがある」と問われることがあります。前述しましたがそんなことはありません。
エテンザミドは、水ぼうそうorインフルエンザにかかってる15歳未満の小児は、いかなる場合も使用禁止とされています。
また、痛みの発生を抑える作用が中心のものに比べて、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いとされており、他の解熱鎮痛成分と一緒に配合されてることがあります。
アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組み合わせを、「ACE処方」と呼ばれています。
(たまにアセトアミノフェンがアスピリンに代わって出題されたりします)
以下の商品がACE処方といわれてるものです。
![]() | 【第(2)類医薬品】ノーシンホワイト錠(36粒)【ノーシン】 価格:968円 |

抗ヒスタミン成分
風邪によっておこるくしゃみや鼻水などの、鼻炎症状抑えるために配合される成分です。
そもそもの鼻炎のメカニズムを説明したいと思います。
①鼻粘膜の炎症で、ヒスタミンが産生
↓
②本来、刺激が脳に伝わる前にヒスタミンをブロック
↓
③鼻水、くしゃみが止まる
また、抗ヒスタミン成分の副作用として、眠気や口渇、排尿困難が表れることがあります。
☆ジフェンヒドラミン塩酸塩
15歳未満の小児、妊婦、授乳婦には使用できません。
睡眠改善薬の成分として使われることがあります。
☆メキタジン
まれに重篤な副作用として、ショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがあります。
抗ヒスタミン成分についてはまずこれを抑えておきましょう。他には、
☆クロルフェニラミンマレイン酸塩
☆クレマスチンフマル酸塩
☆カルビノキサミンマレイン酸塩
がありますが、そんなに出題されることはないので、名前だけ覚えておきましょう。
抗コリン成分
副交感神経(交感神経の逆。リラックスしているときに働く神経)を遮断して、鼻水を止めます。

リラックスさせへんで
風邪薬における抗コリン成分はそんなに問われません。
問題は胃腸薬の成分で問われてきます。
☆ベラドンナ総アルカロイド
ベラドンナ(bella donna)は、イタリア語で「美しい女性」という意味があります。
瞳孔を拡大させて目を大きく見せていたとか
☆ヨウ化イソプロパミド
アドレナリン作動成分
交感神経を優位方向にもっていくことで、気管支を拡張させて咳を鎮めたり、鼻水を止めたりします。
☆メチルエフェドリン塩酸塩
交感神経が優位になると呼吸が浅くなる→気管支。が拡張して呼吸がしやすくなります。
☆プソイドエフェドリン塩酸塩(鼻炎薬に配合)
超頻出成分です!!!!!!!これだけはぜっっっっったいに覚えてください!!!!!!!!!!!!!
パーキンソン病治療薬、モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン)を使用中の人は注意!(相談すること)
心臓病、高血圧、甲状腺機能障害、糖尿病の基礎疾患をお持ちの方は使用してはいけないこととなっています。
鎮咳成分
どれも延髄の咳嗽中枢に作用しますが、麻薬性と非麻薬性に分類されます。
<麻薬性鎮咳成分>
①コデインリン酸塩
②ジヒドロコデインリン酸塩
モルヒネという医療用の麻薬に似たような構造を持っているため、依存性があります。
以上の成分は、2018年の手引き改正で、12歳未満の小児等に使用しないこととなりました。
副作用として、便秘、眠気が現れます。
<非麻薬性成分>
①デキストロメトルファン臭化水素塩酸
②ジメモルファンリン酸塩
③ノスカピン
去痰成分
一言でいえば、たんを出す成分ですが、作用は様々です。
<気道粘膜分泌促進成分>
①グアイフェネシン
②クレゾールスルホン酸カリウム
③グアヤコールスルホン酸カリウム
<粘液溶解成分>
①エチルシステイン塩酸塩
②メチルシステイン塩酸塩
<分泌促進作用・溶解低分子化作用・線毛運動促進作用成分>
☆ブロムヘキシン塩酸塩
<粘液成分調整剤>
カルボシステイン塩酸塩
たんの中の粘性たんぱく質を溶解・低分子化して粘性を減少させます。また、粘液成分の含量比の調整作用があります。
とにかく覚えなければいけない成分が多い・・・大変ですよね分かります
個人的に、登録販売者試験で大事になってくるのは、
幅広く暗記していくことが重要だと思います。
ただ薬の成分を勉強するだけでは合格できません。
人体の構造、薬の法律。副作用制度について。幅広く勉強していかなければなりません。
なので、この記事では風邪薬に含まれる成分を敢えて幅広く書きました。
もちろん、各成分についてもっと細かく勉強する必要があるので、その解説もしていこうと思います。

じゃあどう勉強していけばいいの!?
どう勉強していけば効率がいいのかも解説していきますので、お待ちいただければと思いますが、
今すぐ準備できるものとして、
登録販売者試験の手引きのダウンロードをおすすめします。
試験問題作成に関する手引き(平成30年3月) |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
プロではありませんが3年間登録販売者の勉強をしたので。落ちたのが原因ではありますが(笑)
受験者様の苦労や悩みは十分に理解しています。
その合格までの軌跡を書いた記事もありますので、お時間がありましたらご覧ください。
【登録販売者】やる気なかった文系が3回受けて合格までの軌跡。前編【やりがい】 | 麦の舞。 (mugigoroh.blog)
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